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Beautyflex D

ビューティフレックスは日本の太陽堂光機のブランド。太陽堂光機は馴染が薄いかと思うが、35mmはもちろん豆カメラから大判まで特徴的なカメラを生産していたメーカーで、二眼レフもざっと15機種ほどのモデルがある。
当初ビューティフレックスはギア連動前玉回転式の仕様が中心だったが、後に前板繰り出し式に移行し、下位機種としてビューティコードも販売するようになる。
面白いことに、レンズは75mm・80mmが混在しており、レンズ銘もドイマー・テイコ・テルマー・ビューティなど様々だ。

掲載のD型は富岡光学製と思われる3枚構成のビオコールレンズ付で、太陽堂光機最後の二眼レフとなったモデル。特に目立った機構などは無いが、そつなくまとめられた印象。バリエーションモデルにレクタスシャッターや、トリローザ(Tri-Lausar)レンズ付きのものもあるようだ。
可動部は一般的なローライコード方式の配置で、操作の手掛かりは良好。レンズ周りにはBay1バヨネットを採用し、フイルム装填はスタートマーク合わせ式でカウンターは自動復元と不足は無い。スクリーンはスリガラスのみだがピントは見やすい部類だろう。
掲載機は、前面向かって右のM-X切り替え指標が脱落しているが実用上問題は無い。ただ、同様の欠損をした機種が非常に多い印象を受ける。

大人しいデザインではあるが、一番目を引くのはピントフードに付けられた赤い逆三角形のマークではないだろうか。このマークは、各メーカー工夫したりしているが赤いものは珍しい。75mmF3.1という微妙な中口径を採用したIIIS型などは、三角ではなく赤丸のエンブレム。
また、ビューティーフレックスの輸出向けモデルはワードフレックス(Wardflex)銘だが、D型相当のモデルは赤いマークも同じように付けられている。
なお、80mmF2.8のカンターレンズの付いたモデルもあるが、元々数が少ないうえに状態の良いものはほとんど見かけない。シャッター速度も1/200までで、実用的にもやや中途半端な印象の機種だ。

ビューティフレックスD オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
太陽堂光機 日本 1955年
ビューレンズ
Tri Lauser 80/3.5 トリローザ
テイクレンズ
F.C Biokor 80/3.5 ビオコール
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 1.1m
フード取り付け
Bay1
シャッター
Copal-MX B・1・2・5・10・25・50・100・300
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 補助線縦横各2本 補正無し
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H137×W76×D99mm 990g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • テイクレンズ周りピントフードエンブレムピントルーペ
    [左]テイクレンズ・ビオコール 絞り・シャッター速度操作は一般的なもの [中央]赤い七宝のエンブレムにはBeautyと社名のTKK [右]ピントルーペは一般的な仕様
  • カメラ下部レンズキャップ革ケース
    [左]裏蓋は二重ロック構造 レリーズは旧ニコンの被せ式が対応する [中央]アルミ製Bay1レンズキャップ [右]革ケース

管理人の

同じ「Beautyflex」シリーズでも、仕様やレンズが全く異なるのでちょっと判りづらいブランドです。ビューティフレックス全てのピントフードロゴが赤というワケではありませんが、このD型は赤三角に惚れて購入して欲しい機種です。
中古の数はそれなりに見かけますが、ピントフード周りの塗装が劣化しやすいようです。保存状態にもよるでしょうし、安価な二眼レフの宿命的な部分でもあります。
私の所有のレンズキャップは、他のBay1に流用すると固くて外すのが大変。Bay1といってもオープン規格ではなく模倣されただけのものですので、当機に限らずアクセサリー類(主に内バヨネット)購入の際は実機確認が吉。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★☆
  • 使いやすさ…★★★
  • 見つけやすさ…★★★