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Mamiya C330f

中判カメラを語る上では必須のメーカー、マミヤ製。「マミヤフレックスC330プロフェッショナルf」が正式名称。当サイト内で最も新しい機種で1975年生産開始。

マミヤC型は、シリーズ共通のレンズ交換式二眼レフ。ラックピニオンギアを用いたピント繰り出しは、強度を保ったまま抜群の近接能力を発揮する。掲載機C330fでは、複写装置使用を勘案したピントロックレバーも装備。
ただ、近接機構や平面性確保のためフイルムを直線的に送る方式ゆえ、通常の二眼レフよりも大きく重くなってしまっているのもシリーズ共通である。
交換レンズの他、交換用スクリーンやプリズムファインダー、マグニファイヤーなど非常に多くのアクセサリーが用意された「システム二眼レフ」だ。
次代のC330sで大幅な軽量化が図られ、35mmAF一眼レフ全盛の1994年までCシリーズは継続された。そのC330sが、かつて世界を席巻したメイド・イン・ジャパン最後の二眼レフである。

前モデルC330からC330fへの変更点は、ワンタッチ式ピントフードと外光を防ぐ密閉式ルーペの採用が主。
セルフコッキングや側面とカメラ下部2箇所のシャッターレリーズ方式などは、下位機種のC220には無い機構。側面のシャッターレバーは繰り出しと共に前方に移動してしまうため、180mmや250mmなどの繰り出し量の大きい望遠レンズを使用する際は、前面下のシャッターボタンを使う方が安定する。

新しい時代の二眼レフだけあって、スタートマーク合わせのセルフコッキングの仕様から、フレネルレンズ入りの明るいスクリーンや倍数系列のシャッターなどの使い勝手、更には高性能のレンズ群などは現代のカメラに近いものがある。ただし決して味気ないというカメラではなく、レンズ交換時の遮光システムなどは独創的な機構で多くの名機を残したマミヤならではのものと言える。
交換レンズもシャッターリングの色、チャージレバーの青マークなどで数種に分類される。大まかには、リングがシルバーが前期で黒いものが後期、チャージレバーの青マークが最後期とのこと。C330系の標準レンズは105mmには、ビューレンズにも絞り機構を組み込んだDSレンズがある。ビュー・テイクレンズに同じレンズが使用されており、上下レンズを入れ替えても問題無いというコストを度外視した仕様も特徴的。
なおフードなどのアクセサリーは、前期・後期でサイズが異なるものもあるので注意が必要だ。

マミヤC330f オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
マミヤ光機(マミヤOP) 日本 1975年
ビューレンズ
Mamiya Sekor 65/3.5 マミヤ セコール (交換可能)
テイクレンズ
Mamiya Sekor 65/3.5 マミヤ セコール (交換可能)
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~32 5枚 レンズによって異なる
フード取り付け
49mm被せ式 46mmねじ込み式
シャッター
Seiko B・1・2・4・8・15・30・60・125・250・500
シャッターチャージ
巻き上げ連動式(セルフコッキング)
レリーズ
右側面レバー押し下げ式 前面下ボタン押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面クランク スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
左右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 フレネル センターマット(交換可) 補正無し
内面反射対策
蛇腹 3面凹凸板1面植毛
フイルム送り
下→上 直進式
実測サイズ 三脚ネジ
H172×W95×D120mm 1780g (65mm付き) 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • レンズ取り付け部レンズ取り付け部C220(参考)シャッター機構
    [左]C330シリーズは、右にシャッターチャージ用レバーがある [中央]参考:非セルフコッキングのC220レンズ取り付け部 [右]側面シャッターレバーの連動機構
  • フイルム室内部(レンズ交換用遮光板作動)最大繰り出し
    [左]レンズ交換時、遮光壁が立ち上がった状態 [右]蛇腹最大繰り出し時
  • 多重露出切り替え周り繰り出しラックピニオン
    [左]通常撮影は「SINGLE」、多重露出・空シャッターは「MULTI」に合わせる 赤いスライドレバーはシャッターロック用 [右]精度の高い繰り出し機構 シャッターボタンアタッチメントは私物
  • ピントフード・ルーペレンズキャップレンズフード
    [左]密閉式ピントルーペは収差も少なく視野も広い [中央]被せ式レンズキャップ [右]後期65mm用レンズフード

管理人の

C220のページにもC330系と共通する使い方について記載してますので、合わせてご覧いただければと思います。しかし、はっきり言って大きいです重いですこのカメラ…。二眼の周辺良いストラップを紹介してあります。
交換レンズは広角55mmが一番人気でしょうか。時代によってか好みの問題か逆光性能の評価も色々あるようですが、掲載の65mmはゴーストは出るものの像の形成はしっかりしていてそこそこ強い印象です。
標準レンズ以外の純正フードも巨大ですが、ここまで来たら付けた方がよりカッコいい?フード上部は可動式になっていて、反射光がビューレンズに入って視界にハレーションが出るのを防げるという憎らしいほどの心遣い。
また、生産年不明機種(シーガル)を除いては、当サイト内で管理人より若い唯一の機種でもあります。
写真ブログ・写真賦C220のコンテンツがあり、そちら経由で65mmの実写画像も公開しています。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★★☆
  • 使いやすさ…★★★★★
  • 見つけやすさ…★★☆ C330★★★☆ C330s★☆