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Minolta Autocord I

ミノルタオートコードは、日本を代表する二眼レフ。ミノルタの二眼レフの歴史は長く、初代ミノルタフレックスはプリンスフレックス(Princeflex)と共に日本で最初の二眼レフと言われる。後に、各メーカーが二眼レフから撤退した後もミノルタはオートコードの生産を継続し、1970年代初頭まで二眼レフのカテゴリを守り続けた。
またミノルタは、ミノルタフレックスミノルタコードなどの定評ある二眼レフも製造している。

掲載のオートコードは、62年発売の新型と呼ばれるモデルの一番手。大別すればネームプレートの楕円上部が繋がっているのが旧型で、掲載機のように「minolta」のロゴで割られているのが新型だ。
65年発売のCDSモデルから新種ガラスを使った通称・ニューロッコールレンズとなり、同年末発売の3型は220フイルムでの撮影に対応した。
露出計装備機などもあるものの、オートコードの基本性能自体はモデルによってさほど差はないとも言えるが、当サイトにはミノルタオートコードの見分け方というコンテンツも用意してあるので参照いただきたい。
なお、掲載のオートコードはピントフードが前期型のものに交換されており、1型は千代田光学からミノルタに社名変更された後のものなので「CHIYOKO」の逆三角マークは無いのが本当。吊り金具も新型からは専用品に変わっているので、掲載画像はあくまで参考としてご覧いただきたい。

仕様はスタートマーク合わせ方式セルフコッキング。前モデルのミノルタコード・オートマットから、平面性の確保のためにフイルム送り方向が通常とは逆の上から下に巻き取る方式に変更され、オートコードでもそれを継承し大きな特徴のひとつとなっている。
センターマットのフレネルレンズ付きスクリーンの見えは良好だが、個人的にはややピントの山が掴みづらい印象。振り子式ピントレバーの操作性は秀逸で、3群4枚のロッコールレンズの描写と共にオートコードの評価を決定づけた部分とも言える。シャッターボタンが深く押し込んだ位置で切れるのがやや気になるものの、強いて挙げるならばというレベルだ。
その操作性と評価の高いレンズで、国産二眼レフの中では非常に人気のあるカメラ。当サイトの人気ランキングでも、ローライ各機種などの強豪を押さえて4回連続の1位という圧倒的支持を得ている。
120・220フイルムの切り替えが付き、新ロッコールレンズとなった3型は現在もやや高値で取引されている。

ミノルタオートコード1 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
ミノルタカメラ 日本 1962年
ビューレンズ
View Rokkor 75/3.2 ビュー ロッコール
テイクレンズ
Minolta Rokkor 75/3.5 ミノルタ ロッコール
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 8枚 1m
フード取り付け
Bay1
シャッター
Citizen-MVL B・1・2・4・8・15・30・60・125・250・500
シャッターチャージ
巻き上げ連動式(セルフコッキング)
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面クランク スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
前面下レバー
スクリーン 視差補正
通常 フレネル センターマット 補助線縦横各2本 補正無し
内面反射対策
バッフル 円筒
フイルム送り
上→下
実測サイズ 三脚ネジ
H139×W77×D99mm 980g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • シャッターボタン周りフイルム室内
    [左]シャッターボタンは周囲のリングでロック可能 後期型の距離指標はm・ft併記 [右]フイルム室内には遮光用バッフル
  • ビューレンズ上部巻き上げクランク基部ピントルーペ
    [左]ビューレンズ上部にシャッター速度と絞り値を表示 [中央]巻き上げクランク基部に手動の被写界深度指標 [右]ピントルーペも視野は広い
  • レンズキャップレンズフード革ケース
    [左]仕上げの良いBay1レンズキャップ [中央]同「m」が小文字の後期レンズフード [右]前期型の革ケース 本来掲載すべき後期用は黒仕上げ

管理人の

このオークションで入手した整備済みと謳われていた掲載機は、資料としては大いに問題ありで、ピントフードやビューレンズもRG以前のものに変えられているようです。
改めて言いますが、掲載機はミノルタオートコード1型(一応)。一般的に千代田光学時代の最初のオートコードを「1型」とは呼びません。3型等の画像も追加したミノルタオートコードの見分け方というコンテンツがありますのでご参考に。
フォーカシングレバーの折れたものや、カメラ下側の裏蓋ヒンジ部分の変形を見かけます。フォーカシングレバーはぶつけやすいというのもあるのでしょうが、素材自体厚みのある鋳造のものと薄いプレス加工のものに分かれるようです。折れる固体は明らかに前者ですが、前期型・後期型共にピントレバー折れを確認していますしプレス加工レバーも両方にあるようです。前期型の初期が鋳物なのかも知れません。
それから、1型・3型などの専用吊り金具のものは、ストラップ探しに苦労しますのでご注意を。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★★★
  • 使いやすさ…★★★★☆
  • 見つけやすさ…★★★ 3型も同等 前期型★★★★