Rolleicord IV
ローライコードは、二眼レフの代名詞とも言えるローライフレックスの下位機種として販売されたカメラ。掲載機4型と同時代のモデルは、ローライフレックス2.8Cなどがある。下位機種といっても廉価版というイメージは皆無で、工作精度や仕上げも非常に良くシュナイダー製のクセナーレンズの写りも一線級の評価だ。
4型の発売翌年に5型が発売されたため、生産期間が短かくローライコードの中では比較的数が少ない。
前モデル3型からの変更点は、巻き上げノブの大型化やフイルム室内の内面反射防止バッフルの装備、ストロボのM-X接点切り替え接点、カウンターの自動復元機構などがある。
テイクレンズの設定は4枚構成のクセナーのみとなり、1型アールデコから継続していた3枚構成のカールツァイス・トリオターは廃止された。また、ローライフレックスも同様だが、この時代までが絞り羽根の枚数が多く絞りの開口部が円形に近い仕様。
ローライコード5型はシャッターと絞りがライトバリュー連動式になり、5a型からはピントノブが左側面に移ってしまったため、好みはあると思うが実用性が高くシンプルな4型を評価する向きも多い。個人的にはデザインも4型までがすっきりしている印象だ。
基本的な仕様はスタートマーク合わせの自動巻き止めで、シャッターチャージとレリーズはローライコードの特長とも言うべきワンレバー式。シャッター速度・絞り値は、テイクレンズ左右上部にある小窓で確認できる。
スクリーンにフレネルレンズは入っていないが、ルーペも良質でありピント合わせに困難は無い。
ビューレンズとテイクレンズの間、向かって右にあるのは多重露出用レバーで、これも二重露光防止機構が付いた4型から採用されたものだ。通常撮影時のポジションは上側で、多重露出や空シャッターを切りたい場合に赤い表示の出る下側にスライドさせる。レリーズソケットも下向きに変更されており、復刻品なども見かけるショートレリーズの使用にも適した構造となっている。
また、周知のことだが各種アクセサリーの品質も非常に高い。それらも含めローライコードというブランドは、多くの二眼レフの規範となったもので模倣機種も非常に多い。当サイトは一癖あり気な二眼レフを中心に掲載しているので、当機に地味な印象を持つかも知れない。ただ、手に取って使ってみればやはりローライなのだ。
ローライコード4 オリジナルデータ表
- メーカー 生産国 生産年
- Franke&Heidecke フランケ&ハイデッケ 西ドイツ 1953年
- ビューレンズ
- Heidosmat 75/3.2 ハイドスマット
- テイクレンズ
- Schneider Xenar 75/3.5 シュナイダー クセナー
- 絞り 絞り羽根 最短撮影距離
- 3.5~22 10枚 0.9m
- フード取り付け
- Bay1
- シャッター
- Synchro Compur B・1・2・5・10・25・50・100・250・500
- シャッターチャージ
- 独立式
- レリーズ
- 前面下レバー スライド式 チャージ兼用
- 巻き上げ 巻き止め
- 右側面ノブ スタートマーク合わせ 自動
- ピント合わせ
- 右側面ノブ
- スクリーン 視差補正
- 通常 補助線縦横各1本 マスク補正
- 内面反射対策
- バッフル 円筒
- フイルム送り
- 下→上
- 実測サイズ 三脚ネジ
- H135×W76×D97mm 840g 大ネジ
- データ表の見方
部分拡大画像&ポイント解説
管理人の戯言
二眼レフの多くに言えることですが、ローライコードも各モデルの本体に「何型」との表記はありません。4型を簡単に見分けるには、テイクレンズ下のM-X切り替えレバーの有無。これがあるのが4型です。
「ローライコードの中では」比較的数が少ないだけで、見つけるのに苦は無いかと思います。3型に植毛紙を貼って内面反射防止処理をし、4型風味として使ってる人もいるようです。また、レンズキャップはBay1のヒンジタイプも使用可能ですが、コードには掲載のアルミ製が似合うと思うのは思い込み?
それからあえて言えば、ローライフレックスやローライコードでなくては撮れない写真というものはありません。それでも多くの人がローライを選ぶのは何故か。ホントこれは非常に難しい質問です。
- 独断の5つ★(平均が★★★・☆は0.5換算)
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- 人気度…★★★★☆
- 使いやすさ…★★★★
- 見つけやすさ…★★★★