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Semflex Automatic

セムフレックスは、1940年代後半からおよそ30年にわたり様々なバリエーションが販売され、二眼レフ大国フランスの代表的な機種である。
資料が非常に少ないため、50前後もあるというセムフレックスのバリエーション詳細は不明だが、テレローライよろしく望遠レンズを装備した機種などもあった。
また、アクセサリーも専用のフード・クローズアップレンズの他、ピストルグリップやコピースタンドまで幅広く用意されていた。

掲載のモデルは、F3.5レンズ付のレバー巻上げなのでオートマチック2型に分類されるモデルだ。フランス語風に?「オトマチック(Otomatic)」と記載している場合も多くあるが、当サイトでは英語発音の表記で統一している。
経年変化も考慮すると一概に言えないかも知れないが、グレーの貼り革はフレクサレット6の色に近く、セムフレックスのほうがやや暗いグレーで素材も似た感じの布調のもの。好みもあるだろうが、黒一辺倒よりも軽快な印象となっている。

セムフレックス・オートマチックのフイルム装填は、裏紙の1を底部の赤窓で確認し、クランク脇のボタンをスライドさせながらクランクを操作するとカウンターに1が出て撮影状態となる。2枚目以降は自動巻き止めが効く方式。
巻き上げとチャージはクランクの2回動作が必要となり、およそ90°の操作で巻上げが完了し、再度クランクを動かしてシャッターをチャージする。
巻き上げクランクは、右手親指で巻き上げる場合カメラを持ち替える必要がなく、最後まで巻き上がっていないとレバーは定位置に戻らないので非常に明快である。ただ、クランクを戻すためのスプリングが強いのか、操作がやや重くギリギリと鳴る動作音もやや大きい。
スクリーンにはコンデンサーレンズが入っていて、F2.8のビューレンズも手伝って視野は明るくピントの山も掴みやすいのは特筆すべき仕様だ。ピントルーペの視界もスクリーン全体をカバーする。
レンズはサムベルチオ・フロールとP・アンジェニュー(Angenieux)付きとがあるが、アンジェニュー付の方が見かける機会は格段に少ない。また、レンズ周りへのアクセサリー取り付けは専用バヨネット式だが、レンズ押さえリングの外周に若干隙間があり、30mm程度の被せ式のものも使用可能となっている。

セムフレックス オートマチック オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
Sem セム フランス 1959年頃?
ビューレンズ
Som Berthiot 75/2.8 サム ベルチオ
テイクレンズ
Som Berthiot Flor 75/3.5 サムベルチオ フロール
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 3ft
フード取り付け
専用バヨネット 30mm被せ式
シャッター
無銘 B・1・2・5・10・25・50・100・200・400
シャッターチャージ
巻き上げ連動式(セルフコッキング)
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面クランク 1枚目赤窓 以降自動
ピント合わせ
左側面ノブ
スクリーン 視差補正
コンデンサーレンズ 補助線長方形 補正無し
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H137×W75×D98mm 955g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • シャッターボタン周りピントルーペ
    [左]シャッターボタンは細身だがタッチは良好 前板角にシャッターロックレバー [右]ピントルーペの視野はスクリーンをカバー
  • バヨネット形状カメラ底部
    [左]レンズ周りの専用バヨネット [右]カメラ底部には赤窓とダイヤル式裏蓋ロック
  • 巻き上げクランクレンズフード革ケース
    [左]クランクのつまみは可倒式 下にカウンタースタート用のスライドボタン [中央]専用バヨネットのレンズフード [右]革ケース

管理人の

掲載機はシャッターロックレバーが勝手に動きやすく、シャッターを切ろうとして「あれ?」っと思うことがあってややストレスです。レバーの位置も手が触れ動いてしまいやすい所にあるので、出来れば動作がスカスカではないものを選びたいところ。スタンダードもそうですが、スクリーン内側の汚れには注意。簡単に清掃できるタイプではありません。また、シリーズ通じてピントルーペの位置決め部品に不具合が多いように感じます。
二眼レフに限らずアンジェニューの人気は凄いですが、フロールもしっかりした写りのレンズという印象です。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★☆
  • 使いやすさ…★★★★☆
  • 見つけやすさ…★★ アンジェニュー付き★☆