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二眼入門

二眼入門について

「日本一詳しい二眼レフ入門講座」と銘打った二眼入門では、二眼レフを「何を基準に選ぶのか」・「どこで買うのが良いのか」・「どうやって使うのか」を、それぞれ初心者・入門者の方向けに出来るだけ解りやすく説明してゆきます。各カメラページ等でよく使用されるカメラ・二眼レフ関連の言葉は、「二眼レフ用語解説」のページを設け詳しく解説しています。一部情報が重複する場合もありますが、全てを通してご覧いただければと思います。

出来るだけ専門用語を使わず平易な文章で記載していますが、一読いただいてもなお解らないことや迷うことがありましたら掲示板メールでお問い合わせください。カメラの操作方法や購入後に困ったことなどのご質問・ご相談も遠慮なくどうぞ。判る範囲でですが、出来るだけご返答させていただきます。

ただし、二眼入門ではカメラや写真の基礎(絞りの役割や露出とは何か等)に関しての説明はしておりません。写真の基礎については、「くもん先生の遊遊カメラ塾」で写真家の久門易氏が丁寧に説明されています。リンク先は一眼レフについてですが二眼レフと共通の基礎部分は多くありますので、撮影をより楽しむためにもご一読いただければと思います。

二眼レフとはどういうもの?

Rolleiflex MX二眼レフとは、その文字が表わすように2つの眼(レンズ)を持ったカメラです。上側のレンズ(ビューレンズ)から入った光がミラーに反射してファインダーの映像となり、実際に撮影を行うのは下側のレンズ(テイクレンズ)です。
かつては報道写真の最前線でも使用されていたカメラですので、現在のカメラ・レンズの視点から見ても非常にしっかりした写真を撮影できます。逆に、ロモやホルガなどのトイカメラのようなトンネル効果(周辺光量落ち)やビビッドな色彩、曖昧なピントを求めているのでしたら撮影結果にちょっとがっかりしてしまうかも知れません。

また、二眼レフは電池を使用して自動的に何かが設定されるということが一切無いカメラですので、フイルムを入れて撮影可能な位置にセットすることから始まり、シャッター速度と絞り値をセットして被写体にピントを合わせ、シャッターをチャージ(バネを充填・不要な機種もある)してからシャッターを切る。1枚撮影したらフイルムを巻き上げる、12枚撮影後にフイルムを取り出すといった全てにあなたの動作・操作が必要となります。
ただし、難しそうと思わないで下さい。二眼レフはかつて一般の人が日常を写すのに使っていた、ごく普通のカメラなのです。機種によって手順やルールが若干異なりますが、この二眼入門の中ででできるだけ判り易く解説してゆきます。

二眼レフの特徴

ファインダーは上からのぞく
上側のレンズから入った光は、ミラーに反射してスクリーン上で結像します。カメラは顔の前でかまえるものが大半ですが、二眼レフは胸のあたりにカメラを構え、上からファインダーを見る姿勢になります。使い方のページに「二眼レフの構え方のイメージ」を掲載していますので参考に。
二眼レフに限らず、上側からのぞくファインダーの方式を「ウエストレベルファインダー」と呼びます。
ファインダーで見える像は左右が逆ファインダー画像
レンズの光学上の特性とミラーを介する方式から、ウエストレベルファインダーのカメラではファインダー上の映像は上下は正しく左右は逆に見えます(右写真)。二眼レフで戸惑うのがこの部分。ファインダー上の像の切り取り方(フレーミング)を自分の意図通りにするには少しの慣れが必要です。ポイント解説に詳しく追記しています。
撮影枚数は12枚、撮れるのは「ましかく写真」
特殊な機種を除き、撮影できる写真は「ましかく写真(スクエアフォーマット・6x6判)」です。正方形ゆえの独特の存在感がある写真作品も非常に多くあり、1本のフイルムで撮影できる枚数は12枚。数百枚の写真を小さなカードに保存できるデジタル時代、12枚は少ないと思うかも知れませんが、自分の撮りたいと思うものをじっくり探して撮り直しの効かない写真に収めるという行為を12回。意外と、多過ぎず少な過ぎず適度な枚数です。
レンズは交換できない
マミヤのCシリーズという特殊な機種以外、二眼レフはレンズ交換が出来ません。もちろんズーム機構などはありませんので、選んだカメラに付いているレンズの画角(写る広さ)と性能で全ての写真を撮ることになります。これは決してデメリットではなく、シンプルさと使いやすさにも大いに寄与している部分です。
苦手な被写体
二眼レフだからこういった撮影が得意ということは特にありません。
少々苦手なのは近接撮影(クローズアップ)。ファインダー用と撮影用のレンズが別々に離れているため(視差)、ファインダーでは見えていた上の部分が写っていない、被写体と背景などものの重なり方に違いが出るといったことが起こります。これらは、近距離にピントを合わせるほどその差が大きく出てしまう部分なため、大半の二眼レフの撮影距離は1m程度までに抑えられています。
ただ、近接撮影の弱点補正用に、視差補正機構の付いたクローズアップレンズ(プロクサー)視差を補正する三脚座(雲台)なども用意されていました。
入手できるほとんどが中古カメラ
「中古」という響きに抵抗がある方もいらっしゃるかも知れませんが、二眼レフカメラの全盛期は1950年代で、現在新品ではローライフレックスの高級機と中国製のシーガルなどがある程度。中古は保存状態などにより程度も様々ですが、きちんと保管・整備され快適に使用できるものも非常に多くあります。
もちろん工業製品である以上、壊れることもあります。せっかく買ったのにすぐに壊れた、お金が無駄になったとならないように、できるだけ中古保証付きのカメラをカメラ店で購入することをお勧めします。

最初に労するのは水平・垂直

実際に二眼レフで撮影をしてみて、一番慣れが必要と思われるのが「地面に対して水平に、建物などに対して垂直に構える(撮影する)」事かと思います。前述の様に、二眼レフのファインダーは左右が逆に見えるため、思った切り取り方(フレーミング)が出来ずに悩む方もしばしば。
この水平・垂直の解決策は「慣れ」しかありません。カメラを購入したら「すぐに撮ってみたい!」という気持ちは良く解ります。1本撮影してからでも良いですので、実際の撮影をイメージしながら室内でカメラを構えて、カメラを動かすとファインダーの像がどう動くのかに慣れる練習をしてみましょう。
カメラを動かすだけでなく一歩前に出てみたり後ろに下がったりしてみると、きっちりフレーミング出来ることも多くあります。屋外の撮影では、ファインダーに集中し過ぎず周りに注意することも忘れずに!

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カメラの各部名称と役割

ヤシカAを例にとって各部の名称を記載しています。名称部分にポインタを当てると、その部分の役割についての説明文が表示されます。初めから全ての名前や役割を把握しなくても大丈夫。撮影に必要な部分や購入の際に押さえておきたいポイントは、順を追って二眼入門の中で解説して行きます。

二眼レフ前面
巻き上げノブピントノブシャッター
チャージレバー
シャッター速度
リング
ピントフードビューレンズテイクレンズ絞りレバーシャッター
ボタン
二眼レフ背面
ピントルーペアクセサリーシューフイルム
スプール
軸受けノブ
アイレベルファインダー赤窓

カメラの仕様や実装している機構によって、場所が違っていたり機構そのものが無い場合もあります。

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序文の最後に

初心者だからといって、何も遠慮することは無いし畏れる必要もありません。誰だって最初は分からないことだらけの初心者です。無論、私もそうでした。
それを忘れないためにも、二眼里程標はあなたの二眼レフデビューを応援します。このコンテンツが、一人でも多くの方が二眼レフに触れ・楽しむきっかけになってくれれば、それに勝る幸いはありません。

どうぞあなたの人生に素敵な二眼レフを。