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Graflex 22

プレスカメラとして市場を席巻したスピードグラフィック(スピグラ)で知られる、アメリカのグラフレックス社製の二眼レフ・グラフレックス22。シロフレックスを小変更して発売したカメラで、掲載のグラフレックスがグレー革ということもあって外観の印象はやや異なるものの、カメラとしての仕様・機能はほぼ同じものと言って良い。
アメリカ製の二眼レフとしては、ユニバーサルのユニフレックス(Uniflex)や、デジューフレックス(Dejurflex)も中古市場で目にする機会が多い。

グラフレックス22には大きく分けてモデル200と400があり、その名の示す通りシャッターの最高速が異なる。レンズボードや裏蓋のエッジの仕上げも異なるものがあり、モデル400に銀仕上げ、200に黒仕上げが多いように感じる。
外革が暗いグレーの二眼レフは珍しく、シルバートリムの方がより似合うのではないだろうか。

カメラの仕様は赤窓確認式フイルム送りのオーソドックスなもので、ピントフード開放用のテコやルーペ、カメラのシェル・内部機構(勾玉カムが剥き出しな点も)はシロフレックスと同じもののようだ。レンズはウォーレンサック製グラフターレンズで、これもシロとほぼ同等と思われるがコーティングは変更されているようだ。
他にピント繰り出しの回転が、一般的なノブを前方に回して繰り出す方向に改められており、小型のフイルムスプール着脱ノブも追加されている。側面にはアクセサリーシューではなくホットシューがあり、細かな部分で使い勝手の向上が見られる。
スクリーンにもシロフレックスD型より目の細かいフレネルレンズが入っていて、センターマットではないのだがピント合わせは格段にやりやすくなっている。厳密な比較ではないが明るさも多少上がっている印象だ。

グラフレックス22 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
Graflex グラフレックス アメリカ 1953年頃
ビューレンズ
Graftar 焦点距離・明るさ不明 グラフター
テイクレンズ
Graftar 85/3.5 グラフター
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 6枚 3.5ft
フード取り付け
32mm被せ式
シャッター
Graphex T・B・1・2・5・10・25・50・100・200・400
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
シャッター外周レバー スライド式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 赤窓式
ピント合わせ
右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 フレネル 補正無し
内面反射対策
無し
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H145×W79×D105mm 980g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • シャッター速度指標周りピントフード開放機構
    [左]最高速1/400秒のシャッター チャージ動作はレバーを下から上へ [右]シロフレックスから継承のピントフード開放用テコ
  • 絞り指標周りフイルム室内
    [左]シャッターレリーズレバーと絞りレバー・指標 [右]フイルム室内には繰り出し機構部が露出
  • ピントノブ・距離指標ピントルーペ革ケース
    [左]ピントノブと被写界深度プレート [中央]ピントルーペの視野は狭め [右]グレーで厚手の革ケース

管理人の

革ケースは、一見軍用を思わせるグレー仕上げ。レンズキャップもシロと同じもので、刻印されているネームのみ異なるようです。グラフレックス22は、85mmというやや長めの焦点距離以外これといった特徴もありませんが、モデル400なら普段使いに不足はないかと思います。個人的には、ルーペを出したままスクリーンの全視野が見渡せるといいのですけれど。
ただ、エッジに錆が出やすい弱点もシロフレックスから受け継いでいるようです。剥き出しの勾玉カムは、簡単に掃除出来ますがやっぱりホコリが付きやすいです。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★☆
  • 使いやすさ…★★☆
  • 見つけやすさ…★★★ モデル200★★★☆