Koniflex II
小西六写真工業は、1873年の創業時より写真事業に係わってきたメーカーだ。40代以上の方なら大きなシェアを誇った「さくらカラー」にも馴染があるだろう。現コニカミノルタ。残念ながら、2006年3月末をもってカメラ事業より撤退してしまった。
コニカとミノルタ(千代田光学・日独写真機商店)という、日本のカメラ産業を黎明期から支え・牽引し続けた二社が合併し、共に去っていったことは一つの時代の終焉を思わせる何とも言えない巡り合わせである。
掲載のコニフレックスは、細部変更が施された2型。初期型からの主な変更点は、裏蓋の二重ロック機構の導入や内面反射防止バッフルの採用、裏蓋側にフイルム送りを安定させるローラーの設置など。1型のうちから順次それらの機構を採用し、改めて2型として販売したとのことで、分類上1型でありながら前記変更点が実装されたものも存在しており、厳密な区別が難しいモデルもある。
また、2型からレンズコーティングが変更されたと記載する資料も見受けられた。
二眼レフとしては後発ということもあって、コニフレックスは非常に特徴的なカメラとなっている。テイクレンズは3群5枚構成の85mmヘキサノン。
長焦点レンズのフランジバックの確保と携帯性両立のため、前板の繰り出しは二段階になっている。クリックストップのある∞まで繰り出しすことで撮影可能な状態となり、収納時のいわゆる「沈胴」の状態ではシャッターは切れない仕様だ。シャッターチャージは手動式で、本体左下にレリーズボタンがあるが、ローライコードなどと同じくチャージレバーを逆側に振ってのレリーズも可能。
カメラ前面の赤いボタンを押しながらシャッターチャージ・レリーズをするとセルフターマーが起動。側面カウンター横にあるダイヤルは二重露出用で、通常撮影では赤点同士を合わせておくことによって巻き上げるまではシャッターがロックされる。カウンターも自動復元式。
コニフレックスのファインダーには、コンデンサーレンズが入っており視界は非常に明るい。視差補正機構は無いのだが、大型のルーペや85mmという長めのレンズのおかげもあってピントの山はとても掴みやすい。
また、コニカはレンズフードに「コニフード」という名称を付け多くをラインナップしていた。カメラ自体もそうだが、アクセサリーの仕上げも非常に丁寧になされている。
コニフレックス2 オリジナルデータ表
- メーカー 生産国 生産年
- 小西六写真工業 (コニカ) 日本 1955年
- ビューレンズ
- View Hexar 85/3.0 ビューヘキサー
- テイクレンズ
- Hexanon 85/3.5 ヘキサノン
- 絞り 絞り羽根 最短撮影距離
- 3.5~22 10枚 3.3ft
- フード取り付け
- 42mm被せ式 39mmねじ込み式
- シャッター
- Seikosha-Rapid B・1・2・5・10・25・50・100・200・400
- シャッターチャージ
- 独立式 レリーズ兼用可
- レリーズ
- 前面下ボタン 押し込み式 チャージレバーでも可
- 巻き上げ 巻き止め
- 右側面ノブ スタートマーク合わせ 自動
- ピント合わせ
- 右側面ノブ
- スクリーン 視差補正
- コンデンサーレンズ 補助線縦横各1本 補正マーク
- 内面反射対策
- バッフル 円筒
- フイルム送り
- 下→上
- 実測サイズ 三脚ネジ
- H146×W78×D98mm 1020g 小ネジ
- データ表の見方
部分拡大画像&ポイント解説
管理人の戯言
ヘキサノン85mmの少々長めの画角さえ感覚に合えば非常に使いやすいカメラです。撮影の際には最初から無限遠位置まで繰り出しておいて持ち歩けば、沈胴機構に戸惑うことも無いかと思います。ピントルーペのベースがプラスチックで頼りないので、その部分の破損は確認したほうが良いかと。
中古市場では、他の高級機群と比べてもかなり高頻度でその姿を見かけるように思う。
コニカのレンズフード「コニフード」は、コニフレックスに限らずセミパールやコニカIIIシリーズなどにも専用品が用意されています。オークションでフード単体を見かけることも多め。
なお、小西六には「さくらフレックス」という戦前の二眼レフもありますが、全く見かけないと言ってよいほどの希少品で、いわゆるコレクターズアイテム。
- 独断の5つ★(平均が★★★・☆は0.5換算)
-
- 人気度…★★★☆
- 使いやすさ…★★★☆
- 見つけやすさ…★★★☆ 初期型も同等