Rex Reflex B2
6x6判二眼レフとしては初めてレンズ交換に対応したカメラ、レックスレフレックスB2。日本に次ぐ二眼レフ大国フランス製で、製造はフォトレックス(Photorex)社。掲載機発売直後の1952年に倒産したために、レックスレフレックスシリーズの生産台数はさほど多くないようである。
非常に珍しいレンズ交換式二眼レフではあるが、その交換方法は、前板の四本のビスを外しフイルムは1枚感光してダメになるというある種「力技」。
また、レンズ交換式と言っても交換レンズは150mmの望遠が用意されたのみであり、アイレベルの光学ファインダーには150mm用と思われるフレームも刻まれているが、完全にシステム化されたマミヤCシリーズに比べると格段に見劣りしてしまうのは仕方のないところであろう。
レックスレフレックスは、カメラ自体に高級感があるとは言い難いものの、厚手でシボの大きな革の外観が特徴的。
テイクレンズは、フランスを代表するレンズのサムベルチオ・フロールで4枚構成。数は少ないがアンジェニュー(Angenieux)付きのモデルもある。
ピント合わせは上下レンズがギアで連動するタイプで、テイクレンズは一般的な75mmなのだがビューレンズは70mmF2.9で焦点距離が違っているという奇妙な仕様。ピントルーペは小さく、広角寄りのビューレンズのためピントの山はやや掴みづらい印象。
クランク巻き上げのカメラだがセルフコッキングではなく、フイルム装填は裏紙を最初のローラーの下にくぐらせて赤窓で最初の一枚を確認する方式。二枚目以降は自動巻き止めが有効になり、左側面の背の高い小径ノブを回して巻止めを解除してから巻き上げる。解除ノブ左のインジケーターは巻止め状態で赤、解除時に白の表示。
フイルム軸受けは左右両方を引き出してスプールを出し入れする。多少手間ではあるが引き出した状態でのロック機構もあり、若干カメラ幅のスリム化にも寄与していると思われる。また、掲載機は右側面上のスプールノブが失われたようで真鍮の部品に交換されている。
フォトレックス社の倒産後、部品等を引き継いだシト社からレックスレフレックスに改良を加えたロワフレックス(ロイフレックス・Royflex)シリーズが発売される。ピントフードや巻き上げ基部などがほぼ同じ構造のモデルもあったが、レンズ交換という最大の特徴は受け継がれることはなかった。
レックスレフレックスB2 オリジナルデータ表
- メーカー 生産国 生産年
- Photorex フォトレックス フランス 1951年
- ビューレンズ
- Rex A.G6 Anastigmat 70/2.9 レックス アナスティグマット
- テイクレンズ
- Som Berthiot Flor 75/3.5 サム・ベルチオ フロール
- 絞り 絞り羽根 最短撮影距離
- 3.5~16 10枚 1.5m
- フード取り付け
- 40mm被せ式
- シャッター
- Prontor-S B・1・2・5・10・25・50・100・300
- シャッターチャージ
- 独立式
- レリーズ
- レンズ外周下レバー 押し上げ式
- 巻き上げ 巻き止め
- 右側面クランク 1枚目手前のみ赤窓 以降自動
- ピント合わせ
- レンズ回転式
- スクリーン 視差補正
- 通常 補助線縦横各2本 補正無し
- 内面反射対策
- 無し
- フイルム送り
- 下→上
- 実測サイズ 三脚ネジ
- H131×W72×D101mm 920g 大ネジ
- データ表の見方
部分拡大画像&ポイント解説
管理人の戯言
独特なシボ革にネームプレートの文字は控えめなサイズ。チャージレバーの頭にシャッター速度用の指標が赤く刻まれ、ピントフードも横長の長方形。フランスのカメラのデザインは、やはりドイツとも日本とも違うなぁと思うのは先入観でしょうか?
レンズフードは40mmというあまり見かけないサイズに加え、前玉回転式ですのでフードマニアは要一工夫。
レックスレフレックスはレンズ交換式二眼レフではありますが、交換レンズは150mmF5.5だけですし単体で探しても滅多に見つかりません。普通の75mmベルチオ付き二眼レフとして使ってあげるのが良いのではないかと。
- 独断の5つ★(平均が★★★・☆は0.5換算)
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- 人気度…★★
- 使いやすさ…★★☆
- 見つけやすさ…★★