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Microcord MkII

当機マイクロコードは、珍しいイギリス製の二眼レフ。発売元のM.P.P.は、Micro Precision Productsの略称。
クランク巻上げ・セルフコッキング仕様の上位機種マイクロフレックスもあるが、実質イギリス製の二眼レフはこれらのみで、イルフォードやエンサインの擬似二眼レフはあるものの二眼大国フランスとは大きな差だ。

マイクロコードにはMk1とMk2があり、Mk1はピントフードの透視ファインダーが無く、フイルム送りは1枚目を赤窓で確認する方式。裏蓋のロック構造も、Mk1は引っ掛けるだけなのに対しMk2では二重ロック式に変更されている。
基本的にはローライコードのコピーモデルであり、フイルム装填はスタートマーク合わせ方式。前面左右にあるダイヤルで絞り・シャッター速度を変更し、双方の数値はビューレンズ上部の小窓で確認可能。カウンターも自動復元式となっている。
シャッターは無銘であるがプロンターSVSとのこと。シャッターボタンのストロークが短か過ぎることと、同ボタンとチャージレバーが近接しているため、シャッターのセットがし辛いことなどはあまり感心しない。シャッターを切った際に、戻ってくるチャージレバーに触れないよう少々気を使ってやる必要もあるだろう。
スクリーンはスリガラスのみでやや暗いが、ピントの山は掴みやすいレベルかと思う。ルーペもスクリーン全視野をギリギリだが見渡せるものだ。

テイクレンズはロス・エクスプレス77.5mmF3.5。中途半端にも思える焦点距離は、インチをミリに直したゆえの端数とのこと。77.5mmという仕様の二眼レフは珍しいが、焦点距離の公称値と実測値には差があるのに加え、スクリーンの視野率によっても見える範囲は異なるのだから、一般的な75mmや80mmの機種と比較しても実用に戸惑うほどの差異はない。
レンズ周りには、常道とも言うべきBay1バヨネットを採用。ただし、テイクレンズ側のバヨネットはローライなどのそれとは上下逆で、純正のフード以外も取り付け可能であるがロゴが下側になってしまう。他機種より上下レンズの間が数mm狭いために凸部分を下側に配したのだろうか。

マイクロコードMk2 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
M.P.P. イギリス 1953年頃
ビューレンズ
Ross 77.5/3.2 ロス
テイクレンズ
Ross Xpres 77.5/3.5 ロス エクスプレス
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 3ft
フード取り付け
Bay1(上下逆)
シャッター
Prontor-SVS B・1・2・5・10・25・50・100・300
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
前面下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 マスク補正
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H135×W77×D102mm 910g 大ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • シャッター速度ダイヤルシャッターボタン・チャージレバー
    [左]シャッター速度ダイヤル [右]短かめのシャッターボタンのすぐ横にチャージレバー
  • ビューレンズ上部カメラ底部ピントルーペ
    [左]ビューレンズ上部で絞り・シャッター速度の確認が可能 [中央]二重式裏蓋ロック [右]ルーペの視野は実用十分
  • レンズキャップレンズフード革ケース
    [左]鏡面仕上げのレンズキャップ [中央]Bay1上下逆のレンズフード [右]革ケース

管理人の

マイクロコードの作り自体は良好で、ロス・エクスプレスレンズの評判も上々なようです。ただ何故か保存状態の悪いものが多く、綺麗なものはそれなりに強気な価格設定が多いようです。純正フードは、掲載品よりもっと派手な(エライ派手な)ロゴのものも確認済みです。
個人差はあるかと思いますが、シャッターボタンのストロークは気になる方もいると思います。本文中の戻ってくるチャージレバーと指の干渉共々、慣れの範疇かなとも思いますが。一応、チャージレバーの戻りを止めてしまうとシャッターが開きっ放しになりますのでご注意を。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★
  • 使いやすさ…★★★
  • 見つけやすさ…★★★ 底部赤窓MkI★★