1. ホーム>
  2. 二眼レフカメラ KLMNO>
  3. オフナーフレックス2

Ofunaflex II

1953年発売のオフナーフレックス2型。2型と言っても1型との差異はほとんど無く、シンクロ接点が前板下部からビューレンズ脇に移動したくらいのもの。メーカー自身は1型・2型とうたってはいないが、当サイトでは分類の通例に沿って「2型」と表記した。
製造は双眼鏡分野に進出していた大船光学機械製作所で、販売は樫村洋行が担当。メーカーが大船光学ゆえに「オオフナフレックス」と呼ぶ方もあるが、オフナーが正解だ。
オフナーフレックスは中級機の仕様ながら、大船光学が製造したカメラはスプリングカメラのオフナーシックスなど僅か数機種に留まっている。

当機はほぼそのままと言ってよいほどのローライコードコピーであり、スタートマーク合わせのフイルム装填と自動巻き止め機構、カウンターの自動リセットなどを装備。シャッターチャージとレリーズを兼用するテイクレンズ下のレバーもローライコードの模倣ではあるが、ボディ左下にもシャッターボタンが追加されている。
シャッターは当時の最高級セイコーシャ・ラピッドで最高速は1/500秒。上下レンズにはBay1バヨネットを装備しテイクレンズも4枚構成。光学に関しては顕微鏡・双眼鏡で培った技術で高い評価を得たようだ。
絞り・シャッター速度を左右の小窓で確認するのもローライコードの踏襲であり、細部を言えばレンズキャップの造形やロック機構まで完全にコピーしている。
スクリーンフレネルレンズは入っていないものの、若干明るいF3.2のビューレンズでピント合わせに支障は無く、ルーペの視野もスクリーン全体をカバーするもので使い勝手は悪くない。

自社製の4枚構成レンズにカメラの仕上げも良質であるし、近接撮影時のスクリーンのマスク補正などコストを掛けた機種であるのは伝わるが、何とも特徴を上げずらい機種というのが正直なところ。同じく4枚構成のレンズを採用した中級機、ペトリフレックスゼノビアフレックスなどと同様に、オフナーフレックスも現在の中古市場では見つけるのが困難なカメラとなってしまっているのは残念だ。
なお、一部資料には1955年にセルフコッキングとなったオートマットモデルも発売されたとあるが、多数の資料の中でオートマットについて言及しているのは「戦後日本カメラ発展史」のみであり真偽のほどは定かではない。

オフナーフレックス2 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
大船光学機械製作所 日本 1953年
ビューレンズ
View Ofunar 75/3.2 ビュー・オフナー
テイクレンズ
F.C. Ofunar 75/3.5 オフナー
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 0.9m
フード取り付け
Bay1
シャッター
Seikosha-Rapid B・1・2・5・10・25・50・100・250・500
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
前面左下ボタン 押し込み式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 補助線縦横各1本 マスク補正
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H137×W76×D97mm 930g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • シャッターボタン周りカメラ底部
    [左]テイクレンズ下側にチャージ・レリーズを兼用するワンレバー 左下シャッターボタンも操作性は良好 [右]裏蓋は二重ロック式
  • ピントフードロゴ・ネームプレートシャッター速度表示・レバー
    [左]ピントフードの大船光学のエンブレムとネームプレート [右]シャッター速度表示の視認性はやや劣る 逆側に絞り値を表示
  • ピントルーペレンズキャップ革ケース
    [左]ピントルーペは一般的な形状と視野 [中央]Bay1準拠のレンズキャップ [右]革ケース

管理人の

正直オフナーフレックスでなくては!という理由を見つけるのは難しいです。中級機のカテゴリになると何かしらの特徴的な部分があってしかるべきなのですが、当機は完全なローライコード3型コピー。四畳半メーカーが乱立して出せば売れるの時代でもあったワケですが、それが当てはまるのは低価格機だけだったのではないかと。中級機に工夫を凝らすというのはナカナカ採算が合わなかったのかも知れません。
当サイト史上、トップクラスで何を書いていいのか悩んだカメラでもあります。無論、いいカメラであることは十分保証できるものだとは思うのですが。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★
  • 使いやすさ…★★★
  • 見つけやすさ…