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Minoltaflex III

当機ミノルタフレックス3型は、国産初の二眼レフを製造した千代田光学(ミノルタ)のフラッグシップ機。
1954年発売であり、大口径レンズ搭載のオリンパスフレックスや、フルオートマット機構を装備したマミヤフレックス・オートマットAなどの高級機とほぼ同額で販売されたカメラだ。大衆機として有名なリコーフレックス7の、実に5倍以上の価格。

ミノルタフレックス3型は、前モデルのIIBから部品レベルで大幅な刷新が図られた意欲作であり、上下レンズ周りにBay1バヨネット、高級仕様のセイコーシャ・ラピッドシャッターや内面反射防止用バッフルを新たに採用。
カウンター手動リセットのスタートマーク合わせのフイルム装填方式で、スクリーン上の視差補正機構こそ無いが、最短撮影距離は0.8mで一般的な二眼レフよりも近接撮影が可能となっている。
シャッター・絞りレバーは指掛りが大きく、操作性は非常に良好。それぞれの数値は、ビューレンズ上部の小窓に表示される。細部を見ても、ピントフードの固定バネにまでコストがかかるであろう方式が採られている。
スクリーンにフレネルレンズは入っていないのだが、「フォーカス・アイ」という集光用凸レンズが中央部分にに付けられているものが多い。フォーカス・アイはエッジ部分にホコリが溜まりやすく、中心がずれているものもあったりするので必ずしも見やすいとは言えない面もあるが、ピントの見やすさやスクリーンの明るさを改善するための試行錯誤が垣間見える部分とも言える。
ピントルーペは遮光性の配慮された視野の広いものなので、ピント合わせの操作は良好に行える。

当機は他の高級二眼レフ群の独自機構などに比べると、「ローライコードコピー」の一言で片つけられそうな感もあるが、かつての高級機でありながら流通量はかなり多く中古市場で探すのに困難はない。そのこと自体が、カメラの品質とレンズ評価の表れと言って良いだろう。
ミノルタフレックスはこの3型をもって終了し、下位機種であった振り子式ピントレバーのミノルタコードが、セルフコッキング化などを経て、国産二眼レフの名機オートコードへと発展して行くこととなる。

ミノルタフレックス3 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
千代田光学精工(ミノルタ) 日本 1954年
ビューレンズ
View-Rokkor 75/3.2 ビューロッコール
テイクレンズ
Chiyoko Rokkor 75/3.5 チヨコー ロッコール
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~22 10枚 0.8m
フード取り付け
Bay1
シャッター
Seikosha Rapid B・1・2・5・10・25・50・100・250・500
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
前面下レバー スライド式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ スタートマーク合わせ 自動
ピント合わせ
右側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 中央集光レンズ 補助線縦横各2本 補正無し
内面反射対策
バッフル 円筒 上下植毛
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H138×W77×D99mm 970g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • ビューレンズ上部フイルム室内
    [左]ビューレンズ上部の絞り・シャッター速度表示 [右]フイルム室内には内面反射対策のバッフルを装備
  • カメラ下部スクリーンピントルーペ
    [左]裏蓋ロックは底部ダイヤルの回転式 [中央]スクリーン中央の集光レンズ・フォーカスアイ [右]ピントルーペは遮光性にも配慮
  • レンズキャップレンズフード革ケース
    [左]Bay1準拠の仕上げの良いレンズキャップ [中央]同レンズフード [右]革ケース

管理人の

高級機ゆえに大切に使い込まれた固体も多いようで、掲載機もピントノブのスレが凄いです。スクリーンの独自仕様・フォーカスアイは、付いているものと付いていないものがあるようです。
ミノルタの二眼レフと言えばオートコードで決まり的な空気もありますが、このミノルタフレックス3型もロッコール。恐らくオートコード初期のものと同じかとは思うのですが如何に。
レンズフードも時代によってロゴの変遷があり、「Minoltaflex」銘のものあるので本来掲載すべきはそちら。レンズキャップは、オートコードと同じもののようです。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★★
  • 使いやすさ…★★★☆
  • 見つけやすさ…★★★ 2型・2B型★★★☆