Olympusflex I
今も内視鏡の分野では大きなシェアを持つ、オリンパス光学工業初の二眼レフが当機オリンパスフレックス1型。現在オリンパスは銀塩カメラからは撤退してしまったが、デジタルカメラは独自仕様を模索しながら継続。
オリンパスのカメラでは、35mm一眼レフのOMシリーズやハーフサイズで一世を風靡したペンシリーズなど根強い人気を持つ機種も多く、旧ユーザーにも目を向けてもらうためかデジタルカメラに名称が受け継がれるほど。
掲載機1型のレンズは75mm F2.8という仕様。このスペックは国産機初のものであり、レンズ構成も6枚とおごられている。フイルム装填のフルオートマット化も検討されたようだが、機械的な信頼性を優先しスタートマーク合わせ式に落ち着いている。
シャッターボタンは大型で高い位置にあり、その上にシャッターロックレバーを配している。右側面ピントノブ下のダイヤルは、通常撮影時は「A」に合わせ「D」は多重露出用だ。空シャッターもD側で切ることができる。
絞りとシャッター速度は小窓で確認する方式ではなく、ダイヤル側に直接数値が刻印されておりボディ側に指標がある。共にクリックストップがあるのは珍しい仕様。
巻き上げの反対の側面には、大型のフラッシュガン用の金具が付けられており骨太な印象を醸し出す。
オリンパスフレックス1型は、発売の翌年小変更を経てBII型となる。シンクロ接点の違いでB型とB2型に分けて分類する場合もあり、ピントノブと巻き上げノブ側面にあるフイルム感度と種類のメモが入れ替わっているなど細かな仕様違いのモデルも存在するようだ。
B2型は、ローライの特許であったミラーを介してアイレベルでピントを合わせる機構を省略したもので、折角の機構だったがルーペを上げた時にミラーの反射が迷光となりスクリーンが見辛いこともある。上記ミラーの有無の他、1型とB2型の簡単な判別方法は、ネームプレート上部のシリアルに「No.」の文字があるのが1型とのこと。
筐体の剛性感は非常に高く、ピントノブ基部や前板のベース部分も金色の仕上げとなっており、高級機を意識させる仕様。ただ、当時のズイコーレンズの多くが曇ってしまっている。幾つか確認したが、オリンパスフレックスの大口径は前群に症状が出やすいようだ。残念ながら、当機もその例に漏れない。
オリンパスフレックス1 オリジナルデータ表
- メーカー 生産国 生産年
- オリンパス光学工業 日本 1952年
- ビューレンズ
- Olympus Zuiko F.C. 75/2.8 オリンパス ズイコー
- テイクレンズ
- Olympus F.Zuiko F.C. 75/2.8 オリンパス Fズイコー
- 絞り 絞り羽根 最短撮影距離
- 2.8~22 10枚 2.7ft
- フード取り付け
- Bay2近似
- シャッター
- Seikosha-Rapid B・1・2・5・10・25・50・100・200・400
- シャッターチャージ
- 独立式
- レリーズ
- 前面右上ボタン 押し込み式
- 巻き上げ 巻き止め
- 右側面ノブ スタートマーク合わせ 自動
- ピント合わせ
- 右側面ノブ
- スクリーン 視差補正
- 通常 補助線縦横各1本 マスク補正
- 内面反射対策
- 円筒
- フイルム送り
- 下→上
- 実測サイズ 三脚ネジ
- H141×W75×D103mm 1165g 小ネジ
- データ表の見方
部分拡大画像&ポイント解説
管理人の戯言
1型とB2型にピントフード以外に大差はありません。開放2.8のレンズ付き二眼レフは、ローライを除けば実用の選択肢は非常に少なくなります。特に75mmはオリンパス以外皆無ではないでしょうか。
とにかくレンズの曇っていないものを探しましょう。と言いながら、他のズイコーに比べてもクモリ率は高いような印象があります。研磨で曇りが取れるものと、内部から変質してるものなど症状も様々。更に、有名な高級機ですのでレンズを含めて状態のよいものはそれなりの価格になる場合がほとんどのようです。
- 独断の5つ★(平均が★★★・☆は0.5換算)
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- 人気度…★★★☆
- 使いやすさ…★★★☆
- 見つけやすさ…★☆ B2型★★☆