Rolleicord II
フランケ&ハイデッケの二眼レフ、ローライコード2型。当機は二眼レフというカテゴリの中心的存在と言えるほど、国内外の多くの二眼レフに手本とされたカメラだ。
ローライフレックスの下位機種としてのローライコードではあるが、撮影のための機能は必要にして十分であり、操作の明解さや小型・軽量といった点からローライコードの方を好む人も多い。
基本仕様は後の二眼レフの手本となったもので、日本の二眼レフの黎明期・創成期にも多大な影響を与えた。
フイルム装填はカメラ底部の赤窓でフイルム1枚目を確認し、巻き上げノブ中央のボタンを押しながらノブ下のスライドボタンを操作することで、カウンターに1が出て撮影可能状態となる。
1枚撮影するごとに、巻き上げノブ内のボタンを押して巻き上げると自動的に次のコマで停止する方式。二眼入門の二眼レフの使い方のページでその操作方法を写真付きで取り上げているが、この巻き止め機構も戦後国産二眼レフで採用している機種が非常に多いためである。
ローライコードではこの2型から、ピントフード裏側のミラーを側面レバーで持ち上げてアイレベルでのピント合わせが可能になっている。ただ、全視野は見渡せず透視ファインダーも無いため実用性は今一つ。
2型はシリーズの中で最もバリエーションが多く、レンズバヨネットの有無やピントフードのロゴ、ネームプレートの形態などで細分される。掲載機は、テイクレンズにのみバヨネットが付きネームプレートが浮き彫りとなった2型タイプ3。ただし、日本ではこのタイプ3を2型とは呼ばず、ローライコードU型という呼称が使われていた。
2型を通しての生産期間は非常に長く、その分類は戦後1949年発売のモデルが最終ということではほぼ一致しているようだが、後期型の詳細には諸説あるようだ。テイクレンズは基本的に75mmF3.5の3枚構成トリオター付きだが、後期には4枚構成のシュナイダー・クセナー(Xenar)もある。
当機とローライフレックス・オートマットとに同時期に採用されたレンズのバヨネットマウント(通称「Bay1・ベイ1・B30」)は、多くの二眼レフに採用(模倣)されたためフードやキャップを共用出来るものが多くある。ただし他社に対してオープンにされた規格ではないので、カメラとアクセサリーが異なるメーカーの場合は実際に相性を確認して購入するなどした方がより安全だろう。
ローライコード2 オリジナルデータ表
- メーカー 生産国 生産年
- Franke&Heidecke フランケ&ハイデッケ ドイツ 1938年
- ビューレンズ
- Heidoscop Anastigmat 75/3.2 ハイドスコープ アナスチグマット
- テイクレンズ
- Carl Zeiss Jena Triotar 75/3.5 カールツァイス・イエナ トリオター
- 絞り 絞り羽根 最短撮影距離
- 3.5~22 10枚 2・2/3ft
- フード取り付け
- Bay1
- シャッター
- Compur T・B・1・2・5・10・25・50・100・300
- シャッターチャージ
- 独立式 T・Bはチャージ不要
- レリーズ
- 前面下レバー スライド式 チャージ兼用
- 巻き上げ 巻き止め
- 右側面ノブ 1枚目のみ赤窓 以降自動
- ピント合わせ
- 右側面ノブ
- スクリーン 視差補正
- 通常 補助線縦横各1本 マスク補正
- 内面反射対策
- 円筒
- フイルム送り
- 下→上
- 実測サイズ 三脚ネジ
- H135×W75×D97mm 785g 小ネジ
- データ表の見方
部分拡大画像&ポイント解説
管理人の戯言
この辺りのローライコードは、値段も状態もピンからキリまで。ローライフレックスファンの方が圧倒的に多いでしょうから、慌てず探せば良いものが安くあります。ピントルーペの失われているものを何度か見かけましたのでちょっと注意して見ましょう。掲載機は背面と底が凹んでいましたけれど、実用に問題ない程度です。
純正かどうか判断は難しいですが、掲載レンズキャップはクローム。一般的なのはF&Hマークの黒塗り。
本文中にも触れたタイプ分けには諸説あるようなのですが、私は○型というところまで判ればそれ以上あまり興味は無いので特に深追いはしていません。
- 独断の5つ★(平均が★★★・☆は0.5換算)
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- 人気度…★★★☆
- 使いやすさ…★★★
- 見つけやすさ…★★★★