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Ikoflex II

ツァイス・イコン初の二眼レフであるイコフレックス1型の発売から2年後、大幅な変更を施され登場したのが当機2型。以降のイコフレックスシリーズの、デザイン・機構上のベースとなった機種でもある。
また、ローライコード2型と共に日本の二眼レフ黎明期に与えた影響も非常に大きく、国産初の二眼レフであるプリンスフレックス(Princeflex)やミノルタフレックスにその面影が見える。

ローライコード同様、イコフレックスも2型に最もバリエーションが多く、テッサー・トリオター・ノヴァーの明るさ違いやシャッター違いなど様々なモデルがある。掲載機のレンズは、カールツァイスイエナ・トリオターF3.8。
2型の見分け方は、左側面のピントレバーが菱形なのが目印で、以降のモデルはノブ式に改められている。
デザインの好みはあれ、独創的だった1型に比べてやや大人しい印象になっているものの、各所のクロームメッキは高級感を意識させ良いコントラストだ。ただし現存機種は、このクローム部分が痛んでいるものが多い。

ビューレンズは小径のようだが、1型から改良が施された平型コンデンサーレンズでファインダーは非常に明るい。ルーペも大型となっており、視野全体を十分見渡せるものだ。ただ、特徴的な菱形ピントレバーはデザイン的には面白いがピントの微調整がややし辛い印象。
フイルムの巻き止め機構はまだ無く、1枚目を底部の赤窓で確認し、以降は右肩部分にあるカウンターを見ながらの巻き上げる仕様となっている。この右肩部分に仕掛けを置くという方式も、2型以降のイコフレックスシリーズの特徴の一つだ。
2型の発売以降も、イコフレックスは性能的にライバル・ローライの後塵を拝す状態が続いたため、巻き返しを図るためにアルバダファインダーと大口径テッサーを装備した高級機イコフレックス3型を投入することになる。

イコフレックス2 オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
Zeiss Ikon ツァイスイコン ドイツ 1936年
ビューレンズ
Teronar-Anastigmat 75/明るさ不明 テロナー アナスチグマット
テイクレンズ
Carl Zeiss Jena Triotar 75/3.8 カールツァイス・イエナ トリオター
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.8~22 10枚 3.6ft
フード取り付け
28.5mm被せ式
シャッター
Compur T・B・1・2・5・10・25・50・100・300
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
シャッター外周レバー 押し下げ式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 1枚目のみ赤窓 以降カウンター合わせ
ピント合わせ
左側面レバー
スクリーン 視差補正
コンデンサーレンズ 補正無し
内面反射対策
円筒
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H138×W77×D94mm 910g 小ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • コンパー・ラピッドモデル(参考)シャッター速度指標周りピントレバー
    [左]参考画像:1/500秒コンパーラピッドシャッターにカールツァイスイエナ・テッサーF3.5レンズ付きモデル [中央]掲載機は1/300シャッターだが実用には十分 [右]菱形ピントレバーは被写界深度指標が付く
  • 絞り指標周りカウンターカメラ底部
    [左]シャッター外周の絞りレバーと指標 [中央]右肩部分のカウンター [右]裏蓋は上方開放なので、底部には赤窓とイコフレックス特有の三角三脚座のみ
  • ピントルーペレンズキャップ革ケース
    [左]ピントルーペは視野の広いものに [中央]被せ式レンズキャップ [右]革ケース

管理人の

イコフレックス2型は、二眼レフの中では異色の菱形ピントレバーが特徴的です。戦前の機種ですが、ノヴァーレンズ・クリオシャッターコンビ以外の組み合わせなら、実用に不足を感じることも無いかと。
カメラ全体の仕上げは非常に良好なのですが、クロームメッキの剥がれや錆は時代背景的に仕方のない部分と思えます。また、戦前のカメラながらコンデンサーレンズ装備で視野の明るさは特筆もの。ただ、ミラーが腐食していたら意味がありませんので状態の確認は慎重に。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★
  • 使いやすさ…★★
  • 見つけやすさ…★★★