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Delmonta

西ドイツのモンタナス社製二眼レフ。
モンタナスからは複数の二眼レフが発売されており、掲載機デルモンタに近似した縦長の普及機と、ロッカなどの80mm2.8レンズ付の中級機に分けられるが、知名度の点ではかなりマイナーな部類だろう。
モンタナスの二眼レフは不明な点が多く、当機デルモンタのネーム違いにモンチフレックス(Montiflex)銘のものがあるのだが、兄弟機であるロッカの赤窓式モデルにも同じモンチフレックスネームが存在する。

モンタナス・デルモンタ。恐らく当サイトに掲載している二眼レフの中で、最も写真と実物の印象の異なる機種であると思う。
その理由は、非常に多くの部分でプラスチックとアルミが使用されているからであり、ピントフード全体やフイルム室もプラスチックという機種は他に記憶に無い。
シャッターを固定するリングも、フイルム室内からプラスチックの筐体に締め付けているので、ちょっとしたことでシャッターが回転してズレてしまいレリーズできないケースが多々あった。
ピントフードの精度やスクリーンの見えは決して良くないが、プラスチック多用の利点で、大きさの割りにとても軽量に仕上がっているのはメリットと言えるだろう。

赤窓式で、左ピントノブ右側面にスライド式レリーズレバーを配する仕様。
デルモンタの縦長の構造は、フイルム送りを直進式としている為で、この方式にはマミヤフレックスCシリーズなどがあるが採用している二眼レフは少数。曲がり癖が付かない為、フイルムの平面性確保に優れるのがメリット。
その縦送りフイルム送給によって空きが出来たカメラ下部には、予備フイルム収納のスペースが設けられており他に例を見ない仕様だ。また、テイクレンズ・プラスカナーは3枚構成で、1枚目のみにコーティングがされている。

デルモンタ オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
Montanus モンタナス 西ドイツ 1955年
ビューレンズ
Pluscanar Anastigmat 75/3.2 プラスカナー アナスチグマット
テイクレンズ
Pluscanar Anastigmat 75/3.5 プラスカナー アナスチグマット
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
3.5~25 10枚 4ft
フード取り付け
32mm被せ式
シャッター
Prontor-SVS B・1・2・5・10・25・50・100・300
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
右側面ボタン 押し下げ式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 赤窓式
ピント合わせ
左側面ノブ
スクリーン 視差補正
通常 補助線縦横各1本 補正無し
内面反射対策
無し
フイルム送り
下→上 直進式
実測サイズ 三脚ネジ
H145×W76×D97mm 680g 大ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • テイクレンズ周りピントルーペ
    [左]シャッターはプロンターSVS [右]ピントルーペは後ろ側から引き起こす仕様
  • ピントフードフイルム収納
    [左]ピントフードは総プラスチック製 [右]フイルム収納部側面は緑色のガラスで、中のフイルムの有無が確認できる仕様
  • フイルム室内部
    フイルム送りはストレート構造で、赤窓部分はシャッターで遮光される

管理人の

はっきり言って、本当に「安っぽい」です(モンタナスさんごめんなさい)。レリーズに問題があったので分解したのですが、修理素人の私でも唖然としました。あまり悪く言うつもりは無いですけど、率直に言ってルビテルシーガルより格段に安っぽい感じがします。モノ自体はイーベイでチョコチョコ見かけるのですが…。
レンズのプラスカナー(プラスキャナー?)というネーミングも、「プラスチックのスキャナ(読取装置)」と受け取れば、何とも含蓄があるような無いような(実際にはスペルが違います)。
このモンタナスのトラウマで、同社の中級機ロッカの入手にやや躊躇したという経緯があります。

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…
  • 使いやすさ…★★
  • 見つけやすさ…★★☆