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Lubitel Original

旧ソ連製の二眼レフ・ルビテルは、フォクトレンダーのフォーカシングブリラントのコピーと言われるカメラ。
ルビテルシリーズはマイナーチェンジを繰り返し行っており、後期のモデルはピントフードにロモのロゴが入る。645撮影用の赤窓とマスクが付いた最終機の166U型は近年まで生産されていたようで、未だにデッドストック品などを見かけることも。
一時ルビテルの生産は終了していたのだが、近年のロモ・トイカメラブームによってルビテル166+(プラス)というモデルがロモグラフィーより復活し、トイカメラブームの一角を担う存在となっている。ただし、生産はロシアではなく中国という説もあるようだ。
また、シリーズ中にはモスクワオリンピック記念モデルなどもあり、同モデルはセルフコッキングの仕様。

掲載機はルビテル最初のモデルで、ネームプレートもキリル文字。「ルビテル・オリジナル」という言い方はあまりされないようだが、初期モデルの明示化として「オリジナル」を冠して掲載した。外装はベークライトなので、高級感には欠けるものの非常に軽量な仕上がり。
裏蓋のロックは板バネを引っ掛けるだけだが、意外としっかりしていて不用意に蓋が開くようなことは無いだろう。また、コピー元のブリラント同様に、左側面に専用フィルターの収納場所と思われる空間があるが、残念ながら当機の中身は空であった。

カメラの仕様は廉価機種に多い背面赤窓式であるが、スクリーンコンデンサーレンズの中央部をマット状にしたもので、その中央部分でのみピント合わせが可能。決して使いやすくはないが、完全な目測式よりは遥かに安心感があるだろう。しかし、このファインダーの仕様は明るさは十分なものの視差によってケラレが大きく、ピントルーペが小型なのに加えスクリーンの視野率も高くはないので厳密なフレーミングには不向き。
ルビテルのテイクレンズに飾った名称は無く、「22」との表記のみだがコーティングはされている。後のモデルに「T-22」の表記のものもあるが、その差異は不明である。

ルビテルオリジナル オリジナルデータ表

メーカー 生産国 生産年
GOMZ ソビエト連邦 1949年
ビューレンズ
無銘 焦点距離不明
テイクレンズ
22 75/4.5
絞り 絞り羽根 最短撮影距離
4.5~22 8枚 1.3m
フード取り付け
27mm被せ式
シャッター
無銘 B・10・25・50・100・200
シャッターチャージ
独立式
レリーズ
前面シャッター外周レバー 押し下げ式
巻き上げ 巻き止め
右側面ノブ 赤窓式
ピント合わせ
レンズ回転式
スクリーン 視差補正
コンデンサーレンズ 中央マット部でピント合わせ可
内面反射対策
無し
フイルム送り
下→上
実測サイズ 三脚ネジ
H119×W75×D94mm 540g 大ネジ
データ表の見方

部分拡大画像&ポイント解説

  • ピントルーペ・裏蓋ロック機構絞り・シャッター速度指標
    [左]ピントルーペは小径だが中央マット合わせには十分 裏蓋ロックは非常にしっかりしている [右]シャッター速度・絞り値の視認性・操作感は廉価機並み
  • ピントフードロゴフィルター収納革ケース
    [左]ピントフードにはGOMZの光学ロゴ [中央]側面フィルター収納部 [右]革ケース

管理人の

ファインダーはそれなりですが、そんなに作りが悪いとも思いませんし意外と使える印象です。当たりハズレはあるかも知れませんが、安くて軽くて楽しめての一台としてはいいかも。ただし、ベークライトは落としたりぶつけたりで割れやすいので、本体のチェックは念入りに。
ルビテルでも166シリーズはいたるところで見かけますので、そちらを選択肢に加えると良いかと思います。安いことが大きな魅力なのですが、近年のロモブームで強気な値段設定も多いようです。最新機種の166+などは新品で概ね3万円台半ば。個人的には機構の割には高いかなと思いますが、新品保証も安心感の一つにはなります。
また、トイカメラブームのせいか、二眼レフ全般をトイ(おもちゃ)と思ってらっしゃる方もあるようですがとんでもない。しっかり写り過ぎて驚かれるかがっかりされるか?

独断の5つ(平均が★★★は0.5換算)
  • 人気度…★★★☆
  • 使いやすさ…★★
  • 見つけやすさ…★★★ 2型★★☆ 166以降★★★★☆