Seagull 4A-103
中国上海の上海照相機製二眼レフ、シーガル4A-103。シーガルの漢字表記は「海鴎」と書き、読みは「ハイオウ(Haiou)」。シーガルのロゴも、海と鴎の図案だ。
中国製ということもあってか、残念ながらシーガルに関するまとまった情報はほとんど無く、掲載機4A-103型の正確な生産年は不明。ただ、カメラに付属していた取り扱い説明書が中国語の簡体字表記で図版も多いことから、70年代半ばから80年代に入ってからの製品かと思われる。
上海照相機は現在SEAGULL社となり、デジタルカメラや35mm一眼レフ、4×5ビューカメラなども販売。ライカコピーのレンジファインダー機やミノルタSRマウントの一眼レフなどでも有名。
現在も新品で4A-105やゴールド仕上げを含む4A-107といった二眼レフが生産されているようで、ラインナップには4A-109というローライよろしく前面左右にダイヤルの付いたモデルもあるようだ。レンズが4枚玉のタイプやネームプレートの英字表記にホワイトフェイス?など、生産期間が長いのでバリエーションも多岐に渡り、テクサ(TEXA)銘の二眼レフもシーガルのOEM。
現行品は、赤窓式の4B-1とセルフコッキングの4A-107を中心に日本に輸入されており、ショッピングページにも掲載している。
掲載機シーガル4A-103の仕様は、比較的新しいカメラなのでスタートマーク合わせのフイルム装填にクランク巻上げ・セルフコッキングの仕様であり、ピントフードはワンタッチで折りたたまれるいわゆる屏風式。スクリーンもマスク式の視差補正を装備し、フレネルレンズとスプリットイメージが入っていて現代的なものとなっている。
現行機は問題ないが4A-103は吊り金具が専用の形状なので要注意。専用ストラップも稀に単体で見かけはする。
シーガルに関してよく言われるのは、個体差やアタリ・ハズレである。正直、操作感なども酷いとは言わないが良いとも言えない機種で、掲載機も巻き上げクランクのガタつきや裏蓋のロックが完全に入らないという問題があった。しかし新品保証というメリットを考えれば、現行品の購入というのも悪くは無いと思う。
シーガル4A-103 オリジナルデータ表
- メーカー 生産国 生産年
- 上海照相機(シーガル・海鴎) 中華人民共和国
生産年不明(70年代半ば以降?) - ビューレンズ
- 無銘 75/2.8
- テイクレンズ
- Haiou SA-85 75/3.5 ハイオウ
- 絞り 絞り羽根 最短撮影距離
- 3.5~22 5枚 1m
- フード取り付け
- 36mm被せ式 34mmねじ込み式
- シャッター
- 無銘 B・1・2・4・8・15・30・60・125・300
- シャッターチャージ
- 巻き上げ連動式(セルフコッキング)
- レリーズ
- 前面下ボタン 押し込み式
- 巻き上げ 巻き止め
- 右側面クランク スタートマーク合わせ 自動
- ピント合わせ
- 左側面ノブ
- スクリーン 視差補正
- 通常 フレネル スプリット マスク補正
- 内面反射対策
- 円筒
- フイルム送り
- 下→上
- 実測サイズ 三脚ネジ
- H140×W75×D100mm 975g 小ネジ
- データ表の見方
部分拡大画像&ポイント解説
管理人の戯言
「青島(チンタオ)」や「友誼」「峨眉」「牡丹」など、中国製のシーガルコピー二眼レフも無数にあります。写りは3枚玉でも良い評判を聞きますが、精度の問題があるので中古品は出来るだけ現物を手に取っての購入をお勧めします。新品シーガルが入手可能な追い風もあってか、当ページのアクセス数は年々上昇中。現行品は4B-1が赤窓式で、4A-105がセルフコッキングの3枚玉。4A-107がセルフコッキング4枚玉です。4A-109は残念ながら国内には入ってきてないようです。
余談ですが、時々国内で「上海照相机」との表記を見かけますが、この場合の「机」は簡体字表記であって「つくえ」ではありません。ちゃんと日本語で書くなら「上海照相機」が正解。掲載機は、底部ロックダイヤルの表記も「開・関」の簡体字。二眼レフと中国・中国語にはちょっとうるさいのです。
- 独断の5つ★(平均が★★★・☆は0.5換算)
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- 人気度…★★★☆
- 使いやすさ…★★★★
- 見つけやすさ…★★★ 4B-1・4A-107等は新品入手可